米下院で「ウイグル人権法案」可決! かたや日本の国会は

チベット問題や臓器ビジネスも忘れてはいけない。
来年春には習近平を国賓として日本に招くという。
国賓ということは天皇陛下に拝謁し、晩餐会を共にすることを意味する。
第2位の経済大国、世界最大の兵を抱える軍事大国にもかかわらず発展途上国と言って憚らない国で尖閣諸島は中国領土で沖縄は門来中国に属するなどという国。
日本の政治家は何を考えているのでしょう。

zakzak
【有本香の以読制毒】弾圧関与の中国当局者を制裁へ…米下院で「ウイグル人権法案」可決! かたや日本の国会は「桜を見る会」でバカ騒ぎ…ただただ情けない
2019.12.6

 米国連邦議会下院本会議は3日、ウイグル人弾圧に関与した中国当局者への制裁を目的とする「ウイグル人権法案」を可決した。上院が可決し、ドナルド・トランプ大統領が署名すれば成立する。

 先週、トランプ氏が署名した「香港人権民主主義法案」の上下両院での速やかな可決に続く、政治的快挙だと言っていい。まさに「自由と民主の国の議会」の面目躍如である。

 外国人の筆者は当然、部外者ではあるが、ウイグル問題を長年取材してきた一人として、米国議会関係者に心からの感謝と敬意を表したく思う。

 こう言っては何だが、米下院にも、奇妙な言動で注目される議員がいないわけではない。しかし、「自由」や「民主」「人権」といった普遍的価値、あるいは米国の国益を賭けた重要事項となると、党派を超えて、ほぼ全会一致で意思決定がされる。これはさすがとしか言いようがなく、そうならない国の国民としては羨(うらや)ましい限りである。

 それに引き換え、わが国の国会はと顧みると、国会日程のほとんどを「桜を見る会」関連でのバカ騒ぎに費やした惨状が横たわる。時間と費用の無駄遣い以上に、隣国での地獄のような人権侵害に物申す決議一つできない国会であることがただただ情けない。

 米下院での「ウイグル法案」可決の一報を見るやいなや、米国政界へのロビー活動に尽力してきた親友のウイグル人活動家、ドルクン・エイサ氏(世界ウイグル会議総裁)に「グッドジョブ」とメッセージを送った。ドルクン氏は長らく、米国の対中政策に翻弄され続けた一人である。

 ブッシュ政権時代、米国は中国のウイグル政策に寄った姿勢を示した。特に、イラクでの開戦に際して、中国の協力を得るため、ウイグル人活動家らを「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」扱いとする。

 ドルクン氏が、米国の議会が予算承認する民間団体から資金援助を得ていたにもかかわらず、2015年まで米国への入国が許されなかったのも、この北京への配慮ゆえのことであった。

 だが、いまやそのウイグル問題一つとっても、トランプ政権下の米国が、対中政策を大転換させたことは明白である。この傾向に欧州、オーストラリアもほぼ同調している。例えば、中国によるスパイ活動疑惑が報じられるなか、オーストラリア政府は約65億円を投じて、「外国による内政干渉を防ぐための特別対策班」を立ち上げることを発表した。

 こうした世界の潮目の変化に、日本政界は鈍感過ぎる。

 「スパイ防止法」という基本のキともいうべき法律さえも、半世紀この方、まともに審議もされていない。ネット上では、過去に外国の工作員による国民拉致が多数発生したにもかかわらず、日本でスパイ防止法が一向に制定されない理由は、この法律ができたら逮捕される者が国会内に大勢いるからではないか、という噂までされている。

 加えて、マーケットがこのウイグル法案や香港への法案可決を受けて、マイナスの反応を見せていることも残念だ。日本の巷には、目先の銭金だけで物事への関心を向けるか否かを決める人も少なくない。

 約100年前、世界に先駆けて、人種差別撤廃を国際社会に提起した先人は、草葉の陰で泣いておられるにちがいない。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

©2017 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191206/for1912060001-n1.html

コメント