日本は2度目の敗戦を迎えるか

東北大地震からこのかた、度重なる復興への失政や原発被害の風評などに関わらず、円高・株価下落が止まらない。

新聞や政府、役所はドル安が原因とか、ユーロ危機によるユーロの下落が原因というが、もっと根本的な問題を見逃している。

1:震災による危機管理の目覚めから生産拠点の国内一極化にたいする懸念から海外移転への検討がなされる。
2:原発停止による電気料金の高騰が予想され、海外企業とコストの面で太刀打ちできないため大手を含む企業の海外進出や海外移転を検討。
3:これらに対して政府の無策を突き、中国や韓国を主に各国から日本企業の誘致の運動が活発化。
4:実際に移転が決まった企業が増加。

温室ガス削減産業を支援、工場立地補助倍増へ

野田首相は19日、温室効果ガス削減につながる製品の工場建設を支援する「低炭素型雇用創出産業」への立地補助金について、2010年度予算などで計上した1400億円の2倍以上を11年度第3次補正予算案に盛り込む考えを示した。

 また、急激な円高に苦しむ製造業を支援するため、中小企業の資金繰り対策も3次補正に含める方針を明らかにした。東京都大田区と横浜市で工場を視察した際、記者団に語った。

 首相は大田区の中小企業2社を訪れて精密機器の加工現場などを視察。記者団に「直木賞受賞作の『下町ロケット』(で描かれた)、夢と情熱と矜持(きょうじ)、技術力を持って日本経済を支えている現場を目の当たりにした。産業の空洞化を食い止めなければいけない」と述べ、中小企業向けの低利融資制度や海外展開への支援を充実させる考えを示した。

(2011年9月20日01時40分 読売新聞

今更感が否めない。

各国が自国内の過当競争の危険を冒してまで日本の企業誘致に熱心なのは、1も2もなく世界トップクラスの技術や特許の獲得(搾取)が目的なのは明白。

その動きと連動して円高による株式下落→企業買収→技術乗っ取りも平行して仕掛けられているため円高は止まらない。

日本は海外からの経済戦争を仕掛けられているのにも関わらず政府・与党・日銀には危機意識が全くない。

資源のない日本は世界有数の技術が海外に流出してしまうと、産業の空洞化、雇用不安は加速し、経済破綻は時間の問題。

国家存続の戦いの最中という現実に気がつかないといけない。
「原発賛成・反対」や「増税賛成・反対」も大事だが全てに優先するのは国家防衛であり、目下の課題は経済復興です。これがなければ災害復興などあり得ない。

経済戦争への対応を誤れば、いずれ日本は世界有数の経済破綻型の貧困国となり、「国家100年の失政」と歴史教科書に記載される事になるでしょう。

昭和の大東亜戦争での軍事的な敗戦に続き平成の経済戦争での敗戦を迎えるかどうかは国民の意識と政治にかかっている。