「1円でも安く」買うという風潮についての懸念のことをを書いた記憶がありますが、やはり他にも同じ懸念を持っている人がいた。
安く買う→それが当たり前になって高いと売れない→給料が下がる→益々安く買うようになる。。。。という悪循環を延々と繰り返した結果が今の日本市場。
個人商店が消え、ぼったくりブランド店と原価割れ激安店の二極化。
販売側と消費者側、どちらも反省を持つべきです。
1円くらい高くてもいいじゃないか。
その結果企業が楽になり、明日の給料が確保できる。
景気回復策が最優先
前田 正晶3日に新宿のハイヤット・リージェンシーで開催された、小田急デパートの安売り会を覗いてきた。確か前回は7月頃だったと思う。今回も想定した以上の盛会だった。大入り満員の意味である。
ほぼ開始と同時刻に会場に入ったが、すでに人が溢れ20台は置いてあったと思うキャッシュ・レジスターの区画には、何と「ここが行列の最後尾」を示すプラカードが用意されている始末。
約30分かけてあの広い会場の半分を見て回り、正直な感想は「お見それしまた。小田急さん」なのだった。私は以前から「デパートの安売り会はどんなに足掻いてもデパート自身と問屋の利益を確保しての価格だから、今や花盛りのアウトレットや某商社のビッグ・サイトで開催される問屋が安売りするファミリー・フェアーには及ばない」と決め付けてきた。
ところが、前回辺りから少し様子が変わってきたのである。その前までは「あれだけ多くのお客様たちが物の怪に取り憑かれたかのように買いまくっているのはデパートの看板を信じたのか、他に安く買える機会がないからではないか」と見ていた。
ところが、今や(小田急)デパートが海外のブランド品に付けている値段は、そのほとんどがアウトレットや某商社のフェアーのそれと同じなのである。私のように好んでそういうことを調べて喜んでいる者でも「この値段が出せるのならば、他の商品でも問屋やメーカーを説得してお買い得な線が出ているのではないか」と思いたくなってしまう。
あれだけの人数のお客様方はそうと知って買いに出ているのならば、大した市場調査力だと思う。しかし、私は疑い深いから、それよりも長引くデフレと「何処まで続くぬかるみぞ」的な円高が相乗効果を発揮しているので、デパートも問屋も何とかせねばならないという必死の努力で安値が出ていると見たいのだ。
また、ブランド品のブティック側も割り切ってデパートにもアウトレット並の値段を出す(認可を与えて)ところまで踏み切ったのではないかとすら考えている。
また、来場した方々は「安いだろう」と信じてきた方と、来てみた結果私と同様に「このブランド品がこの値段で売られているからには、全部が安いと信じて良いのだ」と決めて、あれほど大量に衣料品から食料品まで買っていくのだ」と見ている。
何れにせよ、消費者は依然として安いと見極めが付けば買いに出るほど慎重な姿勢を維持しておられ、大規模小売業者の側も、メーカーも問屋もあそこまで割り切っているのだろうと思わせる盛会振りだった。
しかし、私はこの傾向は決して芳しくないと思っている。製造する側は製品がはけなければ仕方がないので、「損して得取れ」には至らず「何としても換金しよう」という作戦ではないかと考えられるからだ。
言うなれば、「固定費はカバーできなくとも、せめて変動費は何とかしよう」という背水の陣かも知れないのだ。
これでは十分な利益が出ないで社員の昇給は言うに及ばず、仕入れ先への支払いにも事欠くかも知れないではないか。今求められているのは、デフレ解消でもあるが、何としても景気回復を優先しないと、こういう安売り会ばかりだ賑わう結果になって、誰のためにもならないことになる危険性が高い。野田君、お解りだろうね。
前田氏は景気回復策が大事というが、企業や消費者に根本的な問題があると私は思います。
コメント
団塊の世代とその直後の年齢層の経営者に劣化があるのではありませんか。政治家ほどではないにもせよ、御身大事で決断できずにいる人たちが多いように見えるのですが
引用元の前田様にコメントを頂きとても驚いています。
勝手に記事を転載していますが御容赦ください。
毎回メルマガは楽しみにしています。