現行の憲法第96條は憲法改正は非常に厳しいのか

新聞などマスコミ各社は憲法改正(憲法96條改正)に関して各国の憲法改正手続きでの解説で、なぜ必要なのか?との問に関してのマスコミの解説は各国の憲法改正手続きを比較しているが、単に米国は両院の3分の2以上の賛成が必要と解説されているだけなため、一般の国民は今の日本国憲法第96条の3分の2は厳し過ぎる訳ではないと誤解をする。

以下の米国の憲法第5条をよく読んでみてほしい。
それによれば両院の3分の2に認められた場合に発議ができるとのこと。その上で憲法会議での4分の3の賛成で可決。
一方日本は両院の3分の2の賛成で国民投票にかけ、国民投票の過半数で承認されれば可決。
ここで注意点として、日本は全議員数の3分の2(全議席数なので議員の3分の1が投票を棄権すると廃案になる)であり、非常に厳しいものですが、米国では全議員ではなく有効投票数(投票した議員数)の3分の2であり、棄権して投票しなかった票は含まれない。そのあと国民投票がなく全州の議会の4分の3(議員数ではなく、州の数)の承認なので改正しやすい。
一方、日本では両院での可決後に国民投票はあるので破棄される確率も非常に高いのです。

アメリカ合衆国憲法

第5条

連邦議会は、両議院の3分の2が必要と認めるときは、この憲法に対する修正を発議しなければならず、また全州の3分の2の議会の請求があるときは、修正発議のための憲法会議を招集しなければならない。いずれの場合においても、修正は、全州の4分の3の議会によって承認されるか、又は4分の3の州における憲法会議によって承認されるときは、あらゆる意味において、この憲法の一部として効力を有する。いずれの承認方法を採るかは、連邦議会が提案することができる。ただし、1808年以前に行われる修正によって、第1条第9節第1項及び第4項の規定に変更を及ぼすことはできない。また、いずれの州も、その同意なくして、上院における平等の投票権を奪われることはない。