川口順子環境委員長の解任劇について

野党は野党ではなく野盗ではないのか。

鳩山元総理が当時の与党である民主党や政府からイランへの訪問をやめるように説得したのを無視して勝手にイランを訪問し外交問題になったにも関わらず問題視しなかった民主党。

今回の川口委員長の場合は政府や参議院から了承を得た訪問であり、土壇場で新たに会談を中国が設定したためその対応のために中国訪問の日程の延長をしたわけで問題はないはず。

期間延長を無断で行ったための解任決議といいうが、川口元委員長は政府自民党にその件を打診して了解を得て、自民党側は参議院に対して期日延長を申し入れたが民主党が議長を務める参院側がこれを却下。会談自体をキャンセルできないため止む無く川口氏は会談を強行。

これに対して野党側は独断で会談をし委員会を流してしまった事は許されない行為として解任案を提出。
委員長不在であれば代理を立てて議論すれば良いだけであって、期日延長を許可しなかったのも与党自民党がこれ以上ポイントを稼ぐのを面白くないと思ったからでしょう。

第二次安倍政権がこれといった失策がなく、野党が数少ない攻め口として食らいついたわけですが、この解任案可決によって国民は益々参議院の存在意義と民主党をはじめ野党の体たらくさを益々感じたのではないか。

議会は政府が暴走しないために国民の代表として議論をする場であるが、今回は議会の暴走であって断固許されるべきではない。

以下は読売新聞のコラムから

川口氏訪中 委員長の「解任」は行き過ぎだ

5月9日付・読売社説
 いきなり参院常任委員長の解任を求めるほどのことなのか。

 民主党など参院の野党7党は、自民党の川口順子環境委員長の解任決議案を参院に共同提出した。

 中国への出張を許可なく1日延長した結果、環境委員会が流会となったことを問題視し、「委員長としての職責を自ら放棄したも同然で、断じて容認できない」と指摘している。

 9日の参院本会議で採決され、野党の賛成多数で可決される公算だ。常任委員長に対する解任決議案の可決は憲政史上初となる。

 川口氏は、4月23日から2日間の予定で訪中した。アジア各国の元外相らの会合などに参加するのが目的だったが、渡航後、副首相級の楊潔篪国務委員との会談が25日に設定された。このため、帰国を1日延ばして会談に臨んだ。

 参院には、国会開会中、常任委員長などに海外渡航自粛を求める与野党合意がある。2日間の訪中についても、議院運営委員会理事会の事前了承が必要だった。

 川口氏は、1日延長については野党の了承を得られないまま、強行した。ルール違反であることは確かだ。野党側には、政府の外交責任者でもない川口氏が中国要人と会談して何の役に立つのか、といった批判もある。

 だが、尖閣諸島をめぐる日中対立により、両国間の要人往来や直接対話はほぼ途絶えている。習近平新体制で外交全般を統括する楊氏との会談には、一定の意義があっただろう。

 川口氏は陳謝した上で、「主権と領土を守る国益に背中を向けられなかった」と釈明している。

 野党側は解任決議という“強権発動”ではなく、陳謝を受け入れるべきではなかったか。重要法案に関する不手際でもないのに解任とは行き過ぎだろう。

 参議院規則では、委員長の代理を立てることが認められている。25日の委員会は、代理による議事運営も可能だったはずだ

 野党側は、夏の参院選に向けて、安倍政権との対決姿勢を強めたいのだろう。民主党には、野党共闘構築の足がかりになるという声もある。だが、こんな国会対応では有権者の共感は得られまい。

 自民、公明両党は、野党の解任決議案提出に反発し、8日の参院予算委の集中審議を欠席した。予算審議での与党欠席は極めて異例であり、無責任だ。

 与野党は、相手の揚げ足取りばかりでなく、政策論争で正面から勝負すべきである。

2013年5月9日01時28分 読売新聞

そもそも委員会と外交とどちらが優先されるべきかの問題と、国益や外交に関わる件に対して政府の判断と議会の都合とどちらが優先なのかという問題でして、本来なら参議院が許可しなかった期日延長を無断で行った川口氏を罷免してしまったのは本末転倒で、政府の意向を無視して許可しなかった参議院議長を罷免するべきでしょう。

以下、解任劇に対してのニュース。

「野党劣化を示す象徴的事件」解任の川口委員長

自らの参院環境委員長解任決議案で票を投じた後、自席に戻る川口議員(9日午前)=大原一郎撮影

自らの参院環境委員長解任決議案で票を投じた後、自席に戻る川口議員(9日午前)=大原一郎撮影

 参院は9日午前の本会議で、民主党など野党7党が共同提出した川口順子よりこ参院環境委員長(自民)の解任決議を賛成多数で可決し、川口氏は解任された。

 国会法に基づく常任委員長の解任は衆参両院を通じて初めて。採決は記名投票で行われ、賛成123票、反対107票だった。川口氏の後任は自民党から選ばれる見通しだ。

 川口氏は4月23、24日の予定で中国を訪問したが、楊潔篪ヤンジエチー(よう・けつち)国務委員らとの会談が設定されたことから25日まで滞在を延長した。しかし、事前に延長の許可を得ておらず、25日の環境委員会は流会となった。これに反発した民主、みんな、生活、共産、みどりの風、社民、日本維新の会の各党は7日、解任決議案を提出した。採決では新党改革も賛成した。

 9日の本会議では、民主党の松井孝治氏が決議案の趣旨について「自ら招集した委員会を流会にした。委員長として不適格のそしりを免れない」と述べた。自民党の中原八一氏は、滞在の延長について「国益に貢献する十分な、大きな意義があった」と指摘し、決議に反対する意見を表明した。

 解任決議の可決後、川口氏は国会内で記者会見し、「野党の劣化を示す象徴的事件だ。政治家は、何が我が国の国益かということを念頭に置いて、物事を判断して行動すべきだ」と述べ、野党を批判した。

2013年5月9日13時32分 読売新聞

川口氏を直撃 「党利党略に走った野党。歴史の目で裁かれる」

2013.5.9 21:47 MSN産経ニュース

参院本会議で環境委員長の解任決議案が可決した後、記者会見する自民党の川口順子氏=9日午前、国会内(酒巻俊介撮影)

参院本会議で環境委員長の解任決議案が可決した後、記者会見する自民党の川口順子氏=9日午前、国会内(酒巻俊介撮影)

 参院環境委員長を解任された自民党の川口順子元外相は9日、産経新聞のインタビューに応じた。

 --解任されたが

 「野党は憲政史上初めて数を頼みに党利党略に走った。歴史の目、国民の目で裁かれていく」

 --滞在延長で得られた国益とは何か

 「領土問題で日本の立場を言わねばならないし靖国問題もあった。帰れば中国側にいろんなメッセージを送ることになり、国益を守れない」

 --尖閣や靖国の話もしたと

 「(中国のシンクタンク幹部との会談では)半分以上、かなり話をした」

 --「日本の領土だ」と主張したということか

 「もちろんだ。靖国問題でも日本の考えを伝えた。『日本には信教の自由がある。行くなということは日本の憲法からすればあり得ない』と説明した」

 --程国平外務次官との会談はどんな話か

 「『サイレントディプロマシー』(静かな外交)の原則で内容は言えないが、中国の外交政策だ。現在の中国の外交関係者はアジアの国々に理解を求めようという発想をしている。(日本との)緊張関係は荒立てずに沈静化しようと考えているとの印象を受けた」

 --楊潔篪国務委員(外交担当)とも会談したが

 「内容は言えないが、中国の外交政策全体のポイントについて話を受けた。具体的な名前の例示はあまり多くなかったが、外交の原則を述べていた。私が関心を持った話もあり、平和問題も強調していた」

 --安倍晋三首相は「有意義だった」と評価した

 「焦点は国益の判断が正しかったかであるべきだ。(国会内の)狭いルールに矮小化わいしょうかした議論しかできない野党を持つ国民は悲しんでいるだろう」

川口氏もどちらかというと民主党の媚韓・媚中政策を批判していた一人なので彼女を貶める最大のチャンスと思って喜んでいたのでしょうね。

環境委は9日、参院規則31条に基づき、委員長代理を立てた上で、何事もなかったように地球温暖化対策推進法案の審議を進めた。今回の委員長解任劇のきっかけとなった4月25日の委員会が流会になったのは、委員長不在が理由だったはずだが・・・

やれやれ。